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SunSugarSonBlog

イタチノヘ 01


2009/04/05 23:42  Permalink mixiチェック  


砂漠なのに、曇り空。
私は宙に浮かんでいる。
下を見下ろすと、高さ7メートルほどの石柱が
二列、砂漠を一直線に貫いている。
20m間隔で配されたその石柱の列の間を、
一列百人はいるだろうかという人間の大群が
整然と行進してゆく。

だが、その行進は奇妙だ。

全ての人間が、目の前を歩く人の背中を、
鞭打ち、棒で打ち、ナイフでえぐり、噛み付きしながら
進んでゆく。
生まれたての子供から、杖をついた老人までが、
同じように背中を晒し、眼前の背中をいたぶる。

そうして続いてゆく大行進から、
ぽつり、ぽつりと逃げ出す人々が見える。

かれらは石柱の目印を見限り、
何一つ目印のない広大な砂漠へと消えてゆく。

私はやがて、その行進の中へ降りてゆく。
そうして、機械的に繰り返される
暴力の連鎖の中に身を委ねる。
背中には激痛が走り、
それによって引き起こされる怒りは
鞭を振るう右手に込められ、
眼前をよたつく、もはや見慣れた傷だらけの背中に
新たな激痛を与える事で発散される。
やがて意識が痛みのために麻痺し始め、
自らの行為を認識せぬまま、
感情の連鎖に身を任せるようにして
暴力は続けられる。

そしてふと隣を見ると、
広大な砂漠が広がっている。


脱出を阻むものは何も無い。


この道には、ただ、目印となる石柱がずらりと続くだけだ。

私は、反射的に、
砂漠の中へ逃げ出す。

誰かが、叫んだかもしれない。

「死んでしまうよ!」



だが、私は砂漠を放浪するうちに、
同じ行進から逃れてきた仲間を見つける。
彼は私よりはっきりと背が高く、
年齢もかなり上だ。

私たちは、砂丘のうえから、
自分たちが逃れてきたばかりの
運命的行進を振り返る。

それは薄暗く寒々とした砂漠の中を
そろそろと這って進む一匹の細長い虫のようだ。


やがて私たちは他の仲間と合流し、
砂漠の中に社会を作った。


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