Sun Sugar Son Blog http://sunsugarson.com/blog/ 映像クリエイトチーム Sun Sugar Son の Blog Sun Sugar Son /static/img/logo_image.jpg Sun Sugar Son http://sunsugarson.com/blog/ LASD Tokyo 終了 http://sunsugarson.com/blog/rss/62
今回は糸電話で歌とギターを離れたお客さんの耳元に届け、
そこから遠めがねで少し離れた所のダンスを見てもらう、
といった感じのパフォーマンスをやらせてもらいました。

初日は準備不足がもろに祟って、システムとしては面白いけども
それを使って見せる内容がまるで無い、
といった状態に陥ってしまい、
予想外に多かった(というよりほとんどだった)
外国のお客さんたちの困ったような表情を見ながら、
早く帰りたいと思う気持ちばかり募るという悲劇に終わりました。

それに懲りて二日目からはかなり内容をアレンジ、
ギターだけだった糸電話にボーカルを乗せ、
浴衣の着付けの所作を見せながら『おぼろ月夜』をつま弾き、
さらに自分の衣裳は作務衣であるという、
反則スレスレのオリエンタリズムで勝負、
異人さん達のハートをがっちり掴みました。

日本人のお客さんたちもけっこう気に入ってくれたので、
こういうのもありなんだなと、結果オーライです。
まあ自分の場合作務衣は普段着だし、
おぼろ月夜は大好きな曲だし、
越前谷さんの浴衣の所作もすごくさりげないものなので、
あんまり外人さんにこびた感じには映らなかったのかもしれない。
こびが全くなかったかと自問自答すれば、
そうとは言い切れない部分もあるけれど、
今はなるべく肩の力を抜きながら作りたいと思っているので、
これでいいと思う。

ともかく面白い体験でした。
しばらくはイベント出演の予定もないので、
地道に生活していこうと思います。

練馬区の体験農園を今月から使える事になったので、
伊豆でできなかった土いじりを東京で始められる、
それがとても楽しみです。 ]]>
Sun Sugar Son Fri, 05 Mar 2010 17:57:58 +0900
Speed Date ! http://sunsugarson.com/blog/rss/61
ドタバタだったけれども、
わりとお客さんには喜んでもらえたようです。
平日だった最終回をのぞき
連日満員で大入り、ありがたい事です。
大した枚数を刷っていないとはいえ、
サントラCDも完売致しました。
前回透明CDケースにステンシルで
一枚一枚手作りのジャケットを作ったのに比べ、
今回は突貫工事のコンビニ白黒コピージャケだったのですが、
それでもこれだけ買ってもらえた事にありがたいやら何やら、
少し自信を持たせてもらえました。

ほんとにありがとうございます。

そしてほっと一息つく間もなく、
次のイベントが決まりました。

3月1日から六本木のsuper deluxeで開催される
Live Art Speed Dateに越前谷さんと出演します。
話をもらった時点で一週間と少ししか
残されていないという脅威のスケジュール。
15組(くらいだったかな?)のアーティストが、
4分間の間に観客とマンツーマンの
プライベートな空間を演出するというコンセプトで、
色々面白い事を考えてくるみたいです。

自分にもまだおぼろげにしか解ってないし、
主催者のSTKってロンドンのアーティストさんが
何者なのかもよく知らないまま、
とりあえず距離を縮めるパフォーマンスをやろうと、
それだけ決まった所で残りあと5日。

その間に伊豆からの引っ越しも完了させねばならず。

なんだか逆にハイになりそう。 ]]>
Sun Sugar Son Wed, 24 Feb 2010 23:20:33 +0900
出戻り、再出発 http://sunsugarson.com/blog/rss/60 なんだか雪になる可能性もあるとか。
同じ水なのに、雪になって降ってくれれば
不思議と心が躍るので、少し期待しています。

最近めっきり近況を書いていませんでしたが、
伊豆の古民家を見つけて引っ越したはいいものの、
手短に言えば村から追い出される形となり、
現在は東京に戻ってきています。

複雑に入り組んだ事情があり、
かなりプライベートな事なので説明に困る所ですが、
山奥の小さな部落というのは想像以上に
保守的で閉鎖的であり、
僕の連れて行った同居人というのは
既成の価値観や道徳観を全てひっくり返そうという
極めてラディカルな人物だったために、
村人の間に勘違いと疑心暗鬼が広まってしまった、
といった感じでしょうか。

自分はどんな場所に行っても、
そこに住む人たちと協調してうまくやっていけるという
自信が僕の中に強くあったために、
この一連のやり取り、騒動は
少なからぬショックを与えるものでした。

反面、自分の身に降り掛かる
一見不条理な出来事や、理性が納得しがたい状況に対して、
それに抗う事なく受け入れるという、
ある意味での諦めを獲得したように感じます。

それは、そういった意識の持ち方を教えてくれた
禅老師自身との決別という出来事にも、
大きな手助けとなってくれました。
それはある意味で皮肉な事とも言えますが。

ともあれ今は、
少しずつ自分のペースを取り戻そうといった感じの日々です。
精神的、経済的、肉体的に調子を整えて、
本当に自分が作りたいものにエネルギーを集中できる環境を
作っていければと思っています。

まずはお知らせにも書いた通り、
2月20日から始まるミソヒドリの新作、
『遠くからの音』の音作り。
前回の公演が先月の24日に終わったばかりで
非常に限られた時間の中でやるわけですけども、
こういった文化祭前夜の徹夜作業みたいな雰囲気には、
何かしら得難い高揚感というものがあるので、
それがうまく作用すれば、と思っています。

しかし不思議なもので、
自分が撮影者として関わっていた頃は
作品の雰囲気を言葉に置き換える作業にも
対して抵抗や労力を感じなかったのですが、
音楽を作ったりその他いろいろやりながら
内側から関わってくると、
とたんに言葉にするのが難しくなるというか、
何だか気恥ずかしいような気分もしてくるのです。

そういうわけで作品内容についてまだ
うまく書く事はできませんが、
いずれ機会と力があれば書かせてもらおうかと思っています。
予約もだいぶ埋まってきているようなので、
興味を持ってくれた方はお早めにご予約を。

三十日鳥 official blog
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Sun Sugar Son Mon, 01 Feb 2010 15:11:45 +0900
イタチノヘ 09 http://sunsugarson.com/blog/rss/59 トンボを飛ばす。
このあたりの建物はほとんどが巨大化した孟宗竹でできている。

トンボやハエなど、巨大化させた昆虫の運動神経をコントロールして
乗用とする事には、動物愛護団体からの抗議が今も絶えないが、
金属資源の極端にすくないこの世界では、利便性が倫理精神を
押さえ込んでいる形だ。
生殖能力と補食のための攻撃性を除去された、
巨大なクローン昆虫たち。
寿命も科学の進歩によって伸びているとはいえ、トンボの
乗用可能期限はおおむね一年といった所だ。
だが、四枚の翅を自在に動かし、ホバリングも可能で、
障害物や飛来物などに対し半自動的に回避行動を行うトンボは、
地表に汚染物質の体積するこの市街に最も適した乗り物だろう。
餌には食中(食品中央管理局)の製造する、動物性タンパクを
豊富に含んだキューブ状の飼料、通称「ピンク」が与えられるが、
あの巨大な大顎でピンクをガツガツとやっている様を見るのは、
いかにも現代科学のグロテスクな一面を
見せつけられている気がして、ぞっとする。
ごくまれにではあるが、年に数件、人身事故も起きているらしい。
つまり、飼い主であるはずの人間をトンボが誤って
食べてしまうというものだ。
およそ信じがたい話ではあるが、攻撃性が除去されているとはいえ、
生物の再生能力には恐ろしいものがある。
いつのまにか本来の攻撃性に関する神経回路を再生し、
不用心な人間に突然襲いかかるというケースも、考えてみれば
それほど突飛な話ではない気がしてくる。
そのような危険を知りつつも、我々は日々、トンボに
またがってこの街の空を飛んでいる。
そんな事に思いを巡らし、また不必要に憂鬱な気分がぶり返して
きた所で、目的の建物が見えてきた。

我々の所属するアスナ教の荒木町支部。
37階の止まり木にトンボを止めると、ふいに声をかけられた。

「おう、ツナグ」

バルコニーには知り合いのタケムラが丁度出てきた所だった。

「よう、調子どうだ」

「うん、まあまあだな。なかなか売り上げが出なくて
苦しいとこだけど。悪い噂でも流れてんのかな」

「悪い噂?」

「バザールで怪しげなモンを売りつけられたってさ、
被害者がわめいてんのかもしれんぜ」

「そんなの今に始まった事じゃないだろ。それより、何か
上に変な動きはないか」

「?どういう意味だ?」

「昨日、警察に挙げられた」

「!!あのシマに出入りはないはずだぜ」

「だから聞いてるんだ。何か事情が変わったのかも」

「。。。関係あるかどうかはわからないが」

「なんだ」

「組織は、ある女を捜し始めたらしい」

瞬間、私は心臓が凍り付く思いをした。
咄嗟に、心のカーテンを下ろす。
タケムラはテレパスとしての才能はたいして持っていない。
表面さえ取り繕えばこの動揺は隠せるはずだ。

「どんな女だ?」

「それが、顔写真すらないんだが、上が言うには、
『内側に住む女』なんだそうだ」

「。。。そうか、それはつまり、
ゲイの奴はカミングアウトしろってことだな」

私の苦し紛れのジョークに、タケムラは辛うじて笑ってくれた。

「これから仕事か?」

無意味な質問を投げてみる。

「いや、今日は家族サービスだ。嫁と息子を連れて買い物さ」

「家族持ちは大変だね。ほどほどにしろよ」

「わかってくれるね。ありがと。じゃあ、また」

「おう、また」

タケムラは自分のトンボの方へと歩いていった。
私には、建物の扉を開ける勇気がなかった。
こんな時にタバコでもあれば、この場所に突っ立っている
不自然さをごまかすことができるのだが、
あいにく法律で廃止されてもう数年になる。
仕方なしに私は、片方の靴を脱ぎ、振ってみて、
何か異物が出ないかと確かめる振りをした。
ついでに足の裏に刺が刺さっているジェスチャーも
付け加えてみた。
幸い、タケムラはそんな私の努力に見向きもしないで、
まっすぐに自分のトンボに向かい、飛び立ったようだ。

どっと疲れが押し寄せる。
だがここで気を抜くわけにはいかない。
建物の中はテレパスだらけだ。
強力なテレパスならば、私のカーテンなどあっさりと
通過して私の不安を感じ取ってしまうだろう。

私は可能な限り平静を保ちながら、
自分のトンボにまたがり、アクセルを踏んだ。
せっかく休めたばかりなのに、再び強制的に
空を飛ばされるトンボの不機嫌さが心に伝わってきたが、
今は一刻も早くこの場を逃れたかった。

今まで自分を守ってきた組織が、
自分の敵に回る可能性を考えると、
コンプレクソンを一箱飲んでも眠れないのではないかと
いう気がした。


不安と恐怖で頭が混濁したまま、
あてもなくトンボを飛ばした。

トンボの体力が限界に近い事に気づいた時、
あろうことかそこは食中の生産センター上空だった。
一般市民が生産センターに近づく事は許されない。
我々には、自分たちが食べる食物の生産工程を知る権利がない。
建物の周囲にはリビングセンサーが数体配置されている。
五感、いやおそらく六感の知覚を特殊な装置によって限りなく
鋭敏にされた生きたセンサー、所定の位置に座ったまま栄養と
(座ったまま享受できる)あらゆる娯楽とを供給され一生を過ごす、
新しい引きこもりの形態だ。

リビングセンサーの一人が私の意識に警告を飛ばしてきた。

「ここは飛行制限空域です。ただちに離脱して下さい」

私は大慌てでハンドルを切った。
数km離れた先にブロッコの建設予定空き地が見えた。
あそこまでこのトンボが保つだろうか。
滑空だけでもなんとか届きそうな距離ではある。
瞬時に方向を転換したから、
リビングセンサーには脅威と見なされていないはずだ、
そうである事を願う。
脅威と見なされれば、即座に迎撃用のハエが離陸し、
追跡、撃墜されるだろう。

リビングセンサーからの警告はその一度きりで、
私はどうにか草の生い茂った空き地に着陸する事ができた。
周囲には誰もいない。
ただ、いつのまにか眼前に女が一人立っていた。 ]]>
Sun Sugar Son Sun, 27 Dec 2009 20:55:11 +0900
イタチノヘ 08 http://sunsugarson.com/blog/rss/57 窓からはいつもの太陽がさしこみ、拡散して
四方の壁の繊維をくっきりとした緑色に染め上げている。

体のどこにも異常はなかった。
気になる事といえば、これは非常に説明しづらい事なのだが、
思考の片隅に、なにかしら存在感のようなものを感じるのだ。
まぶたを閉じると、暗闇の中で左目の隅がぼんやり明るいような、
そんな程度のもので、心を研ぎすませてみると、何か主張する
存在というわけではないのだが、でも確かに、
何か違和感を自分の内に感じるのだった。

昨日?の事を思い返す。
なぜあの場所に警察が現れたのか。。。
今まであのショバで仲間が挙げられた事などなかった。
考えられる事といえば、上部組織と警察がもめたといった所だろうか。
たとえば賄賂の支払いが滞ったとか、あるいは政府の新法案に
対して組織が難色を示したために、見せしめとして私が逮捕された、
そう考える事はできる。

ウチの組織は誠愛党と関係が深い。
市内での勢力拡大に恩義を計ってもらった見返りに、
選挙活動を独自のやり方で支援してきた。
だが今になって誠愛党が右派政党としての性格を強化し、
シティへの転入手続きを厳格化する新法案を検討し始めたために、
組織内では今までの関係を見直す動きが出ている。

それは単純に、能力者がシティでは生まれにくいからだ。

組織としては、能力者の補充を常に行っていく必要があるから、
こうした法案に反対するのは当然の事だ。
誠愛党が右派政党である事は自明の事であったし、
いずれこうした法案が出てくる事も予測ずみであったろうが、
その程度やタイミングについて、おそらく選挙前の密約が
あったのだろう。
それを反故にせざるを得ない何かしらの事情があった。。。

と、そこまで推測してみて、ぐったりと疲れた。
大きな動きに巻き込まれて面倒を被るのは、
私の最も嫌いなシチュエーションだ。
私はただ、自分の暮らしを、守りたい。
だが、昨日の男の言った言葉。。。
女を守るとは。。。?

すでに、なにか大きな動きが始まっているという不安が
私の心を締め付ける。
コンプレクソンを3錠飲んで私は駐虫場へ向かい、
自分のトンボにまたがった。

一人でいくら考えてみても始まらない。
私は支部を訪ねる事にした。
意識の片隅で、何かが躊躇した、ような気がした。

電源を入れる。
トンボの全身がびくっと痙攣する。
巨大な眼に、ゆっくりと意思が宿っていくように見える。
私がアクセルを踏み込むと、トンボは勢い良く飛び立った。
]]>
Sun Sugar Son Sun, 27 Dec 2009 12:33:20 +0900
イタチノヘ 07 http://sunsugarson.com/blog/rss/56 心臓は自制を失い、激しく動悸している。
天井が、私たちの歩みに合わせ薄暗く緑に光る。
おそらく、振動刺激を感知して発光するプランクトンが
塗り込められているのだろう。
前を歩く警官の腰から強い磁力が発せられているのだろうか、
私の手首に掛けられた手錠は彼から1m以上離れる事ができない。
両側の壁は、今にも私たちに向かって崩れ落ちてきそうな、
異様な圧迫感を伴っている。
彼方の暗がりから、別の警官がこちらに向かって歩いてくる。
彼の周囲だけが歩みに合わせ緑に光るので、スポットライトが
彼の動きをフォローしているようにも見える。
私の前をゆく警官が先に敬礼をする。
おそらく彼の上司なのだろう。
しゃくれた顎と屈強そうな体の上司は、敬礼を返してから
私の顔を一瞥する。
彼らの威厳を保つための帽子の下から、
恐ろしく冷たい視線が私の体の芯を突き刺す。

こうした明かりや廊下の長さといったものは、
脱出の困難さ、自分の置かれた状況の過酷さを
強調するための演出なのだろうか。
私はまんまとそれに乗せられ、
絶望的な気分になってきていた。
早くコンプレクソンを飲みたい。
だがその願いは聞き入れられないだろう。
右派の誠愛党が与党の座を獲得して以来、
警察権力の横暴は増す一方だ。
私はどうにか自力で、自分の感情をコントロールせねばならない。


取り調べ室に一人残され、
担当の刑事が来るのを待たされる。
簡単なテーブル、イスだけが用意された部屋、
なんと冷たい色彩だろう。
時計がないのと極度の緊張とで、
時間の歩みが異常に遅く感じられる。
爆発しそうな心臓をなだめながら、
私はどのようにして自分の素性をごまかす事ができるか、
混乱した頭で必死に考えていた。

今、私の能力を悟られるわけにはいかない。。。

どれくらいの時間が経ったのだろう。
ノックも無しに、ふいに背後のドアが開いた。
そこに立っていたのは、刑事というより、
明らかに囚人の格好をした男だ。
私は突然の事に当惑した。

彼は悠然と私の視線を横切り、
向かいのイスに腰を下ろす。
男はじっと私の顔を眺め回した後、
おもむろに口を開いた。

「出たいか?」

馬鹿げた質問だ。答えは決まっている。
だが、彼の姿には、どこかしら、
彼の言葉のすべてに深い意味のあるような、
不思議な真剣さというものを感じさせるところがあった。

私は、慎重に、頷いた。

「ある女性を助けてあげてほしい。
その女性は、本来この街にいるべき人間ではない。
彼女があるべき所に戻るまで、彼女の事を助けると約束すれば、
君の事をここから出してあげよう」

瞬間、私の脳裏にはとんでもない面倒事を
しょいこんでしまうという、はっきりとした予感が現れた。
私は躊躇した。私がこの街に来たのは、
安定のためであって、決して冒険のためではない。

「だがそれは、君にとっても必要な事なのだ」

私はうつむいていた顔をぴくりと上げる。
薄々は感付いていたが、この男もどうやら能力者らしい。

「この部屋は特殊な造りになっていてね、テレパシーが
通らないようになっているんだ。それでわざわざ、
危険を冒してここまでやってきた。
君がここに来た事は、大きな運命の一端だから」

「...詳しい話を」

「その時間はない。やがて刑事がやってくるだろう。
君は今、選ばなければいけない。
イエスか、ノーか」

この混乱した頭に、そんな重大な選択をさせる事は
不安だった。
私は目を閉じ、直感に頼る事にした。
答えは、始めから出ていたようだ。
彼がにこりと微笑んだ。

「ありがとう。
では、くれぐれも、彼女の事をよろしく頼む。
この世界にとって必要な方だ」


思い出せるのはそこまでだ。
気がつくと私は、自分の部屋のベッドに横たわっていた。 ]]>
Sun Sugar Son Sat, 12 Dec 2009 13:00:51 +0900
イタチノヘ 06 http://sunsugarson.com/blog/rss/54 カウンターの上に80年製のリング型トーカーを
無造作に置く。
彼は目を丸くし、トーカーと私の顔とを交互に見比べる。

「ごらんになりますか?」

彼は未だ信じられないといった様子で、
半ば口を開けたまま、
ゆっくりとトーカーに手を伸ばす。

私は声をひそめる。

「知ってのとおり、フィレモンの影響を受けない、
旧式のトーカーです。耐久性は劣りますが、自由は
保障しますよ」

トーカーは通信機能とID認証装置、電子マネーとを
備えたもので、クリーンの生活に必須のアイテムだ。
トーカーが無くては通過できないゲートも多く、
それはほとんどのクリーンの顔と、良心とを代弁している。
良心を代弁するというのはつまり、ひらたく言えば、
トーカーが個人に代わり、やって良い事といけない事の
判断を行うという事だ。
細かく言えば、トーカー自体がそういった判断を行うのでは
なく、フィレモンから発せられるある種の電波が、
トーカーで増幅され個人の意識に作用するのである。

役所は(役所の人間は自分達の所属組織を『セイフ』と呼ぶ)
市民の倫理意識をコントロールする事を切望してきた。
フィレモン・プロジェクトはその最終的な形だ。
シティ内の景気を一定の水準に保つため、
価格、賃金、需要供給などの値を常に管理する、
いわばシティの家計担当であるマザーコンピュータの
『コンシューマ2』に対し、
ファザーコンピュータであるフィレモンは
人間の無意識に直接作用し、
倫理意識を書き換える。
これによって、昨日まで平気で子供を殺せたような男が、
トーカーをつけただけで、拾った小銭のネコババにすら
戸惑うようになると言われている。

導入に際し人権団体は猛烈に反発したが、
いつものアレで、大多数の人間がぼんやりしている間に
法案は成立し、フィレモンはほとんどのクリーンの
意識の中に進入する事に成功した。
これによって、シティ内の犯罪発生率は格段に低下した
そうだ。
こうした発表のほとんどが役所の発表によるものなので、
そのまま鵜呑みにできるものではないが、
大きないざこざをシティで見かける事はほとんどなくなった
のは事実だ。
その反動なのかどうかは解らないが、常に一定水準の苛立ちを
プールのように溜めている人々が増えた気はする。
突発的な怒りが、本人を救う事もあるのかもしれない。


「お幾らですか?」

彼がついに口を開く。

「そうですね…まあ、20ってとこですかね」

「20!」

彼はその数字に衝撃を受け、
思わずトーカーをカウンターに置いた。

「ずいぶんするんですね」

「ご存知でしょうが、今これを手に入れられるのは、
ここしかありませんよ」

彼は、ふううと長いため息をつき、額に手を当て、
何かを計算し始める。その間もチラチラとトーカーに
視線を送っている。少し思案に疲れてきた様子で、
おもむろにグラスへと手を伸ばした。

その瞬間、私は彼の視界の中のグラスの位置を、
ほんの少しだけ、ずらす。

彼の手がガチャリとグラスを倒す。
氷とソーダ水が勢いよくカウンターの上を流れ、
トーカーを濡らす。

「えっ!?」

「ちょっとっ!!」

私は慌てた振りをして、濡れたトーカーをすばやく手に取る。

「今のトーカーとは違うんだから…」

私はマントの裾でトーカーを拭き始める。

「すっ…すいませんっ!あっ…これ、使いますか」

「結構です」

彼の差し出したハンカチに目もくれず、
私は拭いたトーカーの動作確認を行う振りをする。

「……」

「…どうですか?」

私は彼の目をちらとにらみ、ふうとため息をつく。

「駄目です」

彼の顔がみるみる青ざめていく。
私は心のなかでほくそ笑んでいる。
こんなことができるのも、フィレモンの束縛を受けていない
おかげなのだろうか。
私はもったいぶった調子で続ける。

「さて、どうしましょうかねぇ」

「……すいません」

「いやいや、まあわざとじゃないでしょうけど」

「もちろんです、どういうわけか、手が…」

「まあまあ、お気の毒ですけど、弁償して頂くか…」

「…!」

「いや、待てよ、いい考えが」

そう言って私は、鞄の中を探り、美しい細工を施した
ガラス瓶に入った水を取りだす。

「これは非常に貴重な水です。砂漠の向こうのオアシスで
採取された水に特別な配合の薬草を混ぜたもので、
疲労回復、万病の治癒に極めて迅速な効果があります」

彼の表情が、うしろめたさから訝しさへと変わりかける。

「これを何本か買って頂ければ、さっきの件は
水に流しましょう。どうです、すこし試してみますか?」

「そんなにすぐに効くものですか」

「まあ試してごらんなさい」

私はもったいぶってガラス瓶の栓を開け、
空になった彼のグラスに、1/10ほど聖水を注ぐ。
彼はにおいを確かめ、おそるおそる口に運ぶ。
私は、いっそう力を込めて、彼に念を送り込む。

「…なんだか、体が軽くなってきました」

「もう少し待ってみなさい」

私はさらに彼に念を送り続ける。
彼の気持ちが疑わしさを離れ、食いつき始めているのを
手触りとして感じる。

「すごいです!体中の痛みが…!」

私はおもわずにこりとする。

「はいはい、そこまで」

念を送るのに集中していて気づかなかったが、
背後に二人の男が立っていた。

明らかに、普通の人間ではない。
]]>
Sun Sugar Son Thu, 15 Oct 2009 03:06:54 +0900
イタチノヘ メモ 05 http://sunsugarson.com/blog/rss/53
シティに格差がひどいのは、
貧乏人の苦しみが雨雲を呼ぶエネルギーの
主要因であるからだ。
役所は水源確保のために格差を維持する。
そして毎晩ドームの上には黒い雲が集まる。

風が冷たくなって
ぼさり、ぼさりと大粒の雪が降る。
西の砂をたくさん含んだ雪だ。
この時間に外をトンボで飛ぶやつはいない。


月明かりを背景に、
空を飛ぶ人影が二つ。
短い手足。
ブロッコの一室、
明かりのもれる窓のそばに近づいて、
中を覗く。
ゾディにアクセス中の男が一人。
20代前半、痩せ型、ヒゲ。
一人の子供がもう一人の子供に合図し、
二人で光の玉を作る。
それをそっと窓から部屋のなかに差し入れると、
二人は窓辺を離れ空の旅へと戻る。


暁が東の空を染め上げると、
ドームの屋根に積もった大量の雪は
日差しを受けて急速に溶け始める。
ドームの接地面にはこの水を集める為の
側溝が設けられており、濾過、殺菌されて
市内に供給される水の流れがちょろちょろと
音を立て始めてシティの朝は始まる。
砂漠の向こうでは急速に加熱された砂の熱で
雪原はあっという間に空間を埋め尽くす水蒸気となり
巨大な陽炎がゆらゆら、ぐらぐらと
殺風景な荒野を捻じ曲げる。

隣の部屋では時間を無くした男の
一つ目のベルが鳴る。
先日、ようやく障害認定されるようになった
ばかりの流行り病だ。
彼は1日中ジグソーパズルをして過ごしている。
以前はたいがいのロストがそうであるように
優秀な企業戦士だったそうだ。
ある時期、出世の足がかりとなる大きな
プロジェクトを任され、大きな責任と期待の中
分刻みのスケジュールで働いていたのだが、
ある日、ふと移動レーンの乗り過ごしが多いことに
気付いた。
目的の駅で降りられず、うっかりしていると
二つ三つの駅どころではなくて、
レーンをぐるりと一周してしまっているのだ。
ちゃんとアナウンスを聞いていれば
降りられるはずなのだが、
通いなれた通勤路というのはマンネリ化して
しまっているために、意識を保つ事が困難なのだ。
仕方なく通勤路を遠回りなものに変えてみた。
だが問題は単純ではなかった。
そのうち会話が難しくなってきた。
ほんの一時考え込んだつもりが、
3時間の沈黙となり、
少し熱の入った話しをすれば
必ず相手が疲労の果てに彼の口を遮るように
なってしまったのだ。

そんなふうにしてクビになり、
今は毎日ジグソーパズルに没頭している隣人。 


これぐらいゆるくても
メモを書き重ねていったほうが
作品は作りやすいのではないかと
思ったのでそうしてみます。

ちぃっと読みづらい文章になりがちですが
ご勘弁。
たくさん矛盾出るかもしれんがご勘弁 too

伊豆に引っ越す予定です。
]]>
Sun Sugar Son Wed, 23 Sep 2009 05:30:43 +0900
近況報告 http://sunsugarson.com/blog/rss/52 5月4日、5日、6日に仙川の森のテラスで行われる
ダンスのイベントに、ギターで参加する事になりました。
小笠原で出会った越前谷さん率いる
三十日鳥の第二回公演。
バイオリン弾きの淳也と一緒にやります。

場所も踊りも生音もいい具合に混ざってきておりますので、
お時間ある方はゼヒ。

4日はもうほとんど埋まってしまったそうですが。。。
(席数増やせるかも、とのこと)
予約状況などはミソヒドリ公式ブログをご覧下さい。
都合の着く方はなるべく5日でお願いします。


それから、5月17日に新井薬師のスペシャルカラーズで、
オービタルリンクのRAYさんのダンスパフォーマンスに
映像で参加します。
名古屋の電子音ニスト、小野さんと一緒です。
詳細など見えてきたら、
こちらもinformationで告知させてもらいます。


先日ひさかたぶりに映画を上映させて頂いて、
ふたたび直前編集の嵐が吹き荒れ
へろへろになって辿り着いたのですが、
やっぱり人の反応に直に触れられるのはありがたいね。
自分が何をしたいのかわかってくる。



明日は代々木公園にギター持って行って
音の打ち合わせ。
アースデイもやってるから楽しそう。
快晴だといいな。
ライブは久しぶりだけど、
やっぱり楽しみ。
ギターと隣人を大切にしながら
本番まで精進したいです。


映画の方は
ぶわーっと広がった世界の設定を
どうやってストーリーに落としていくのか
そのへんを試行錯誤しつつ
とりあえず流してみています。

とりあえず今回は、
「できるかできないか」
という思考を捨てて
想像力が遊ぶままに
面白いストーリーを作ってみたい。
という事でムチャクチャ書いてますが
気になった人いたら手伝って下さい。
〆切り無し、目的無しで
ひたすら楽しんでみようという方、
ぜひぜひ一緒に楽しみましょう。
]]>
Sun Sugar Son Sat, 18 Apr 2009 02:41:42 +0900
イタチノヘ 04 http://sunsugarson.com/blog/rss/51 4D-165番ブロッコの521号室の家宅捜索が行われる事となった。
当局からは警官が二人、
動物保護シェルターからは女性スタッフが一人、
ロック解除のため管理人が一人、
521号室の前に集結した。
警官らが左腕のリストバンドに
指を触れると、5秒ほどかけてじっくりと消えてゆく。
女性スタッフはそれをまじまじと見詰めた。
完全に透明化する直前、二人はふわりと揺らいだ。
わずかに宙に浮いたのだろう。
やがて共有キーでロックが解除されると、
開いたドアの隙間からすさまじい臭気が漂ってきた。
日々増してゆくこの異臭に耐えかねた
隣人の通報で今回の事態となったわけだ。
開いたドアから、透明で、足音もない警官が二人、
室内へ入っていく。

予想に反して、発見された動物はごく少数だった。
猫が二匹だけ。
フードタイマーのストックも充分にあり、
トイレは糞にまみれてはいたものの
消臭器の効果でそれなりに中和されていた。

厚いカーテンで光を遮った薄暗いリビングに、
鼻をつく鋭い臭いが満ちていた。
部屋の中央には、起動したままのゾディ。
うす青く発光している。
その光に照らされ、容疑者がソファに座っていた。
警官の呼びかけにも、まったく反応を示さない。
年上の方の警官が音も無く容疑者に近づく。
臭いの原因はどうもこの男らしい。
容疑者の後頭部にはゾディのコントローラーが装着され、
目はあきらかにゾディの世界を見つめている。
もう一人の警官に明かりをつけるよう指示すると、
年上の警官はゾディの電源を切る。
明かりの中で見ると、容疑者が糞尿を座ったまま
垂れ流していることが判明した。
男の目には既にゾディのバーチャル空間は見えていない
はずだったが、男の目はあいかわらず
眼前のものを認識してはいない。
しかし表情は恐ろしいほどの衰弱ぶりを示している。
警官が男の肩に触れると、
男はぱたりとソファの上に倒れた。
やがてすうすうと寝息を立て始める。
おそらく数日間に渡ってずっと
ゾディの中に篭っていたのだろう。
どういう方法を使ってかは判らないが。
サイドテーブルには、大量の錠剤が載っていた。

「ジャンキーめ」

年上の警官が吐き捨てるように言った。

年下の警官は、ある都市伝説の事を考えていた。
ゾディに住む、悪魔の噂。 ]]>
Sun Sugar Son Wed, 15 Apr 2009 01:41:57 +0900
イタチノヘ 03 http://sunsugarson.com/blog/rss/50 幅数kmに及ぶ断崖絶壁があり、
その下を流れる川沿いにイマイチは形成されている。
元々は地形の特性上砂が溜まりやすいという事で
廃棄物の埋め立て処分場として利用されていた地域だ。
そうしたゴミの中から再利用できる物を探し、
修理、加工して露店で売り始める人が集まり始めた。
やがてそれが巨大な市場を形成していくにつれ、
周辺に安価な宿泊施設や飲食店、娯楽場など
様々なサービス業も(もちろん無許可で)姿を現し、
やがてシティの法支配がこの地区では
徹底できない所に目をつけたヤクザ、宗教団体等が
この地で勢力を競い合う事となり、
こうして猥雑ながら生命力に満ち溢れた、
イマイチ特有の文化、生活が形成されるに至ったのだ。

それは無菌状態で暮らす都市生活者のそれとは
遥かにかけ離れたものである。
そのために、この地を初めて訪れるクリーン達は
しばしば「酔った」ような症状を示す。
けたたましく飛び交う売り子らの口上が、
無数の人の足音と話し声に混じり、
迷路のような露天市場を絶えまなく流れ続ける
人の波に押されながら、
スラム特有の埃っぽい空気を吸い続けると、
そうした事全てからくるストレスは
慣れない人間の意識をゆっくりと侵食する。
理性を麻痺させる事でストレスを軽減しようとする
脳の働きがあるのかもしれない。
まあそういう状態に陥ったクリーン達は大抵、
何か冷たい物を探して市場の中をうろつくのだ。
だが、この町で清潔な水を手に入れるのは至難の業だ。
アンウォッシュ達は、川沿いに暮らしながら
川の水で体を洗う事ができない。
その川がひどく汚染されているからだ。

そういうわけで、この市場にはクリーン達の探す
いわゆる喫茶店なんてものは、ほんの限られた数しか無い。
大抵の人に取って、水は自分がどうにか生きていけるだけの
量を確保するのに精一杯で、商売にまわす余裕などないのだ。
さらに迷路のような市場の作りが初心者を惑わせ、
喫茶店に辿り着くまでに数時間がかかるなんて事もざらだ。


それで私は今日も馴染みの喫茶店に腰を下ろして
彼らのやってくるのを待っている。
そう、たった今、首の下の汗を拭いながらやってきた男、
神経質そうな目で辺りをきょろきょろとうかがっている。
へとへとに疲れきった様子で荷物を椅子に置き、
カウンターに腰を下ろした。

彼は絶対にクリーンだ。

私は確信して立ち上がる。 ]]>
Sun Sugar Son Wed, 08 Apr 2009 03:03:03 +0900
イタチノヘ 02 http://sunsugarson.com/blog/rss/49 私は日課となっている処方箋をコップの水で飲み干す。
コンプレクソン。
複雑な情報刺激や状況に対応するストレスを軽減するための
政府認可薬だが、副作用として惰性的になる傾向がある。
実際は複雑なものを、単純化して見せてしまうからだ。

とは言っても、これがなければ
仕事ができない。

私の胃は薄いオブラートに包まれた
オレンジ色の液体を瞬時に吸収し始め、

もやもやとした夢の余韻は
科学の力で次第に消え去ってゆく。

そんなことをぼんやり感じながら
私は身支度を整える。
私の仕事はフレックス制ではあるが
必要とされる身だしなみの基準は高い。
熱いお湯と石鹸で髭を剃る。
こういう習慣は、ブロッコに住むようになったからといって、
そうそう変えられるものではない。
柔らかい香りのするタオルで顔を拭くと、
丁寧に折りたたまれた麻布の服に袖を通し、
防塵のマントを羽織って鏡の前に立つ。
背筋を伸ばし、自分の姿に威厳を探す。

廊下に出て、エレベーターを待つ。
隣人の部屋で、時計のベルが響く。
彼は時間を失くした。
私の父と同じくらいの歳だろう。
生活保護を受けてはいるが、
ひっきりなしに鳴るベルの音なしでは
どんな予定も組み立てる事はできない。
そうして支給されるジグソーパズルを
ひたすら組み立てている。


エレベーターのドアが開く。


エアカーテンを抜けて
ブロッコのエントランスを出ると、
白い歩道に烈しく日光が降り注いでいて
軽いめまいを覚える。
磁力レーンに乗って流れる人の列に加わり、
立ち並ぶ巨大ブロッコリーの林を抜けていく。
ドームの中に暮らす人々にとっての
豊かさ、それにまつわる自尊心の基準となるのが
このブロッコに部屋を持つことだ。
ブロッコに部屋があるという事は、
ドーム全体を動かしている経済活動の中で
一定の基準を超えて労働し
払うべき税金を納めているという事の証であり、
それはいわゆる市民、クリーンを自称するためには
欠くべからざる最低条件なのだ。


追い越しレーンを大荷物で急いでいた男が
すれ違いざま別の男の肩にでもぶつかったのか、
背中に激しい罵声を浴びせられている。
そういうシーンで舌打ちを聞く事は毎日のようにあるが、
ああやって大声で怒鳴り散らす人は少々珍しい。
感情がまだ活発に活動しているのか、
サプリメントのとり過ぎか、そのどちらかだろう。
いずれにせよ、どうでもいい事だ。
私には、関係の無いことだから。
私はイマイチ方面へ入るレーンに移る。


イマイチは川沿いに形成されたスラムで、
住環境としては劣悪だが、
貨幣と物々交換、その両方で成り立つ
巨大迷路のような市場があり、
クリーンのマーケットには出回らない類の、
珍品、逸品、砂漠の向こうから
どういうわけだか紛れ込んだ
生鮮食品なんかが手に入る。
そうした掘り出し物を求めて、
このスラムにはクリーンの人々もやってくる。
たいていはコソコソとしながら。
アンウォッシュから物を買う姿を
クリーンの誰かに見られはしないかという、
不安が彼らをそうさせるのだが、
そんな彼らもアンウォッシュの視線に対しては
まるで無敵のように悠然としているのである。


私がこの市場で買い求める品、それは
こうした未熟で好奇心旺盛なクリーン達だ。 ]]>
Sun Sugar Son Mon, 06 Apr 2009 02:08:50 +0900
イタチノヘ 01 http://sunsugarson.com/blog/rss/48 私は宙に浮かんでいる。
下を見下ろすと、高さ7メートルほどの石柱が
二列、砂漠を一直線に貫いている。
20m間隔で配されたその石柱の列の間を、
一列百人はいるだろうかという人間の大群が
整然と行進してゆく。

だが、その行進は奇妙だ。

全ての人間が、目の前を歩く人の背中を、
鞭打ち、棒で打ち、ナイフでえぐり、噛み付きしながら
進んでゆく。
生まれたての子供から、杖をついた老人までが、
同じように背中を晒し、眼前の背中をいたぶる。

そうして続いてゆく大行進から、
ぽつり、ぽつりと逃げ出す人々が見える。

かれらは石柱の目印を見限り、
何一つ目印のない広大な砂漠へと消えてゆく。

私はやがて、その行進の中へ降りてゆく。
そうして、機械的に繰り返される
暴力の連鎖の中に身を委ねる。
背中には激痛が走り、
それによって引き起こされる怒りは
鞭を振るう右手に込められ、
眼前をよたつく、もはや見慣れた傷だらけの背中に
新たな激痛を与える事で発散される。
やがて意識が痛みのために麻痺し始め、
自らの行為を認識せぬまま、
感情の連鎖に身を任せるようにして
暴力は続けられる。

そしてふと隣を見ると、
広大な砂漠が広がっている。


脱出を阻むものは何も無い。


この道には、ただ、目印となる石柱がずらりと続くだけだ。

私は、反射的に、
砂漠の中へ逃げ出す。

誰かが、叫んだかもしれない。

「死んでしまうよ!」



だが、私は砂漠を放浪するうちに、
同じ行進から逃れてきた仲間を見つける。
彼は私よりはっきりと背が高く、
年齢もかなり上だ。

私たちは、砂丘のうえから、
自分たちが逃れてきたばかりの
運命的行進を振り返る。

それは薄暗く寒々とした砂漠の中を
そろそろと這って進む一匹の細長い虫のようだ。


やがて私たちは他の仲間と合流し、
砂漠の中に社会を作った。 ]]>
Sun Sugar Son Sun, 05 Apr 2009 23:42:08 +0900
新しい年、新しい映画 http://sunsugarson.com/blog/rss/47 家は喪中なのであまりめでたい言葉は
使えないのですが、
昨年同様、今年もたくさんの
人との繋がりの中で暮らしていければと
思っています。
どうぞみなさん、今年もよろしく。


さてさて、
新しい映画のアイデアが転がり始めています。
最初から漠然としたイメージ、
幾つかのシーンは頭の中にあったのだけど、
最近会う人会う人にこの物語を語っていたら
次第にストーリーとしての形を成してきた。

人に向かってストーリーを語る時、
なるべく面白く話そうとして頭を使うから、
一人で考えている時よりも効率的なのかも。
一人じゃないと降ってこないアイデアもあるから、
両方必要なんだけどね。

という事で、
この場を借りて、
制作ノートを綴ってみようと考えています。
ブログを書く位の気楽さで、
程よく人の目を気にしつつ
面白くしていければ、という事で。

「公開しているブログで
こんなストーリーを語ったら
こんな人だと思われるよ」
っていう自意識、
それを振り切るスピードで
自分の物語に熱中できるか、
情熱と自意識のかけっこ。 ]]>
Sun Sugar Son Fri, 02 Jan 2009 04:05:40 +0900
雑記 http://sunsugarson.com/blog/rss/46
落ち葉が全て散ってしまう前にカメラを回したい。

三ヶ月ほど前に漬けたアンチョビが
かなりおいしくできた。
60匹くらい漬けたのに、
もうなくなりそう。

PCがトロイの木馬にやられた。
反省。

先日、渋谷で人生初のVJを体験。
楽しい。はまりそうだ。

生活のリズムはだいぶ崩れている。
小笠原シックになりそうだ。

3Dグラフィックに手を出す。

なにかひとつ位、
感動した事を書きたい。
先日、
朝の六時ごろ、
近所のお寺に参ったら、
黄金色の木の葉と
真っ青な空、
ひりりと冷たい空気の中、
境内で踊っている女の人がいた。
本堂では七五三に合わせて
お経を上げている。
女の人は踊りながら境内を横切って、
わずかな朝の陽だまりの中へ入り、
太陽の方を向いて、
無表情で、楽しそうに、踊っていた。


近所の古本屋で買った石川達三の
『望みなきに非ず』がすごくよかったので、
『青春の蹉跌』も買ってみる。
どっちも一冊百円。
20ページ目くらいまで読んだら、
押し花が出てきた。
いつから挟まっていたのだろう。
きれいな形のままだった。 ]]>
Sun Sugar Son Wed, 17 Dec 2008 00:37:03 +0900
HASYMO music video contest http://sunsugarson.com/blog/rss/45 TV無い、ラジオ無い、新聞無い、
ネットほとんど徘徊しない。
アンテナ立てたほうが面白い事は
知っているんだけど、
めったに立てないんです。
で、久しぶりに見つけたのが、

HASYMO music video contest


HASYMOはご存知YMOの3人が再結集したユニットなんだけど、
オフィシャルのPVをプロアマ問わず公募、
メンバー三人が審査するという、
なんとも素敵な企画。
残念ながらもう終わってしまったのだけど。
まあ、損した感じは置いといて、
YOUTUBEで応募作品が全て見られる。
これがすごい。
無名の天才がいるわいるわ。
最優秀作品もかなり良かったけど、
俺はこの作品が好きです。





昔、通勤にゆりかもめを使ってて、
何度か撮影した事もあったけど、
これは思いつかなかったなぁ。
乗ったことのない人のために説明すると、
ゆりかもめって無人運転のモノレール(?)だから、
普通の電車の運転席にあたる部分にも
乗客が乗れちゃうわけで、
臨海地区のビル林を縫って
空を飛んでいるような気分になるんです。

でも、このアイデア思いついた時の
作者さんの心の中の反応って
ものすごかったんだろうなぁ。
ゾクゾクゾクゾクって来ただろうなぁ。
アイデア一発+わずかな味付け
っていうのが憎い。
素材のうまさを引き出すというか。
エレクトロニカ好きな人なんだろうな、きっと。

自分も、引き算で映像を作りたい、
そう思っていたところへ
ぱしっとストライクが入りました。
エレクトロニカのPVやりたいなぁ。 ]]>
Sun Sugar Son Tue, 25 Nov 2008 01:31:17 +0900
明日は遠足 http://sunsugarson.com/blog/rss/44 早寝早起き週間を始めて三日目で早くも挫折しかけている。
今朝見た夢をきっかけに、自分のやりたい事を考えてみて、あれもしたいこれもしたいで舞い上がってしまった。
いわゆる遠足ハイです。
そのうち、脳内で人生プランなんて立て始めてしまいました。
こないだ友人と話してわかったんだけど、俺はどうやら楽観病らしい。
○の中に楽って書かれた障害者手帳を発行されるそうです。
臆病さを楽観力で乗り越えて、とりあえず初めての海外へ行ってくるよ。
プランの第一歩として。
あと少しだけ、お金貯まったらだけど。
じゃあ第二歩か。 ]]>
Sun Sugar Son Tue, 11 Nov 2008 02:44:43 +0900
地の道 http://sunsugarson.com/blog/rss/43 DVDのメニュー画面を作りました。
友人曰く、
「傍目にはクリエイティブに見えるけど、
実際はすごく地味な作業なんだよね」
全くその通りで、慣れないアプリケーションに
振り回されながら細かい作業にイラリイラリ。
なぜ友人は、こういう作業を嬉々として
やれるのだろうと不思議に思う。
どちらかと言えば自分には苦手な分野で、
1ピクセル単位の微調整とか
「目分量でいいじゃん」と
投げ出したくなりがちなんだけど、
そういう努力の積み重ねが、
きれいなデザインに繋がるんだなぁ、と、
作業のための基本的な姿勢を学ぶ。
単純なアイデア勝負の世界ではないんですね。

そして出来上がってみれば、
独学で作っていたものよりも
かなりスタイリッシュなものが完成。
一つ一つの作業は地味で些細なものだけど、
まとめて見れば確実に努力が実る物なんだと思った。
それは実らない努力を積み重ねた先に
ようやくささやかに実る物なのかもしれないが。
でも、ものづくりって、
なんだってそうなのかもしれない。
何だってと言えるほど
何を知ってるわけでもないけれど。
近道はないんだろうな。

これは極端な話だけれど、
例えば白地に赤い線を一本引いた絵があるとして、
その作品が完成するまでの道というのは、
線の端から端まで筆を走らせた時間ではなくて、
そこに繋がる膨大な時間、経験の総体なんだろう。

うーん、今日は思考がまとまらない。
何かがうまく流れない、
対象をうまく言葉で掴めない感じだ。
頭の普段使わない部分を使ったから、
疲れてるのかな。

そういえば、今日から地元雑司が谷で
御会式が始まりました。
名物の万燈行列は明日の夕方から。
町民がみんなでビート刻み、
巨大な万燈がゆらゆら踊ります。
言葉では無いもので、
すごく大切なものを伝えられるような、
不思議なお祭りですよ。
自分は明日の夜から週末のパーティ撮影のため
東京を離れるのですが、
お時間ある方はふらりと行ってみると、
新しい体験ができますよ。


今日から毛布出して寝ます。
寒くなったから、みんなも
風邪をひかないように気をつけて。。。

オヤスミナサイ。
]]>
Sun Sugar Son Fri, 17 Oct 2008 02:40:00 +0900
夜の護国寺 http://sunsugarson.com/blog/rss/42 千駄木の蔵で三十日鳥の稽古に少し顔を出して、
帰り道、ふと気になって護国寺に立ち寄りました。

よく手入れされた松のシルエットの向こうに見える
膨らんだパンのような月が綺麗でした。

本堂の閉じられた扉の前に立つ。
年を経た木材の存在感と言うのはすごい。
照明に照らし出された屋根の裏側の造りもすごい。
とりあえず、閉じた扉に向かって一礼。

護国寺の空は広い。
鈴虫だとかコオロギだとか、
あとは名前もわからない色んな虫が鳴いている。
大仏様の隣の石のベンチで
少し横になってみようかと思ったが、
断りも無しにそんな事をするのも
失礼な気がして、大仏様の前へ。

最近はこういう宗教的な場所に来ると、
なんだか無性に拝みたくなります。
拝まずに勝手に楽しむのが申し訳ないというか。
とにかく一度拝んでおかないと気持ちが悪い。

ここ最近、神秘主義的な傾向が
自分の中で強くなっているのは自覚しているけど。
どうも「いただきます」を言わずに
食事をするのが気持ち悪いのと似ている。

幸い人通りも無いので、
ゆっくりと気持ちを落ち着けて目を閉じ、
深く頭を垂れると、
足音が近づいて来ました。
ゆっくりと体を起こしはしたものの、
どうにも決まりが悪く、
そのまま帰ろうかと思って門へと向かうが、
やっぱりもう少しここに居たいので、
意味も無く髭をいじりながら踵を返す。

歩いてきたのは寺の坊さんのようだ。
こちらには目もくれず、
灯りのついた建物へ向かって歩いてゆく。

「坊さんで良かった」と、
少し安心する。
通り過ぎたのが同世代の人だったりしたら、
かなり恥ずかしい思いをしたはずだ。
そのくせ、こんな事を日記に書くのは、
そこまで抵抗感がない。

一安心して、ベンチに座る。
ゆっくりと呼吸して、虫の声を聞いて、月を眺める。
そうだ、せっかくこんなにいい場所なんだから、
瞑想をしてみよう、と思って目を閉じる。

以前、ひかり祭りでヨガのワークショップを受けた。
講師の先生は、ヨガというのは
自分の呼吸の状態、意識の状態に
自覚的になる事だと言っていた。
自分の呼吸が落ち着いているのか乱れているのか、
自分が何かに気をとられているかそうでないか、
例えば何かの音に気をとられたとして、
それに気をとられた自分に気が付く事。
そういう自分を、ただ観察する事。

リュックを背負ったまま、
ベンチの上で背筋を伸ばし、
ゆっくりと呼吸をする。
また足音がする。
だれかが石段を登ってくる。
急に呼吸が荒くなる。
今の状態を見られる事を恐れている自分がいる。
でも、今ここで瞑想をする事は、
本当に自分の望んでいる事なのだから、
止める必要はないと思う。
目を閉じていれば、
誰の姿も存在しない。
しかし音は聞こえる。
その存在すら、意識しなければ
自分にとっては無いと同じだ。
いつか足音は止んだ。
思考に囚われていた自分に気づき、
今感じられるものに意識を委ねようとする。

音を聞くのでもなく、
まぶたの裏を見るのでもなく、
思考にも囚われず、
ただ、在ること。








完全に自分を無にするのは難しいけど、
呼吸はだいぶ穏やかになった。
立ち上がって石段を降り、
自転車に跨って不忍通りを走り出す。

護国寺という名前から、
国を護るという事、戦争、自民党、
人々の精神状態、それぞれの神、宗教とは云々、
色々考えかけたが、
とりあえず結論の出ない問題は置いといて、
自分の心が穏やかになったら、
世界もだいぶ穏やかになった気がした。
]]>
Sun Sugar Son Fri, 10 Oct 2008 03:40:18 +0900
三十日鳥と祖父 http://sunsugarson.com/blog/rss/41 越前屋さんの演出、振り付けによるダンスが、
今週末から千駄木の小さな蔵で始まります。
詳細はinformationでご覧下さい。

この舞台は、彼女の人柄が本当に良く出ている。

4月の終わりごろ、まだ一ヶ月ほどは小笠原に
滞在する予定だった僕の元に、
一本の電話が入った。
「お兄さんが亡くなったらしいから、実家に電話してあげて」
瞬間、何が何だか判らなかった。
オーナーに断りをいれて洗い場を離れ、
ユースの電話を持って建物の外に出る。
僕の携帯電話は、小笠原では全く使えなかったのだ。
頭の中を様々な憶測がよぎる。

仮に自殺だとして、
正直自分には、兄の死が全く予測できなかった。
そんなにも兄の心の闇は深かったのか。
こんなにも兆しを見せる事無く、
死への欲求というのは育つものなのか。
同じ部屋で育った18年間、
彼は何を考えて暮らしていたのか。
それとも、それは本当に突発的な事故のせいなのか。
だとすれば、兄を襲った死とは
どんな物によって引き起こされたのだろう。
自分がトラックに弾かれそうになった
地元の町のあの場所で、
青い大きなトラックが兄を撥ね飛ばす
決定的な瞬間を想像する。

電話の向こうで、母が出た。
小笠原で家族の声を聞くのはその時が初めてで、
明らかに非日常的な場所で聞く
現実でしかあり得ない家族の声に
妙な違和感を覚えた。
「もしもし、良直だけど」と言うと、
「少々お待ち下さい、今夫と代わりますので」
という答えが返ってくる。
母の精神状態を想像して、
心が冷たくなる思いがした。
やがて父が電話口に出て、
事務的に俺の帰郷の予定を訊ねる。
俺も努めて冷静に答える。
やがて誤解が解けた。

亡くなったのは兄ではなく、
祖父だった。
俺が勤務先の電話番号を家族に伝えて
いなかったために、家族は東京にある
俺の下宿先へ電話をし、
70歳前後と思われる大家さんに伝言、
そこからインターネットをするために
俺の部屋へ通っていた恋人に伝言、
小笠原のユースに伝言が届く頃には、
おじいさんがおにいさんになっていたのだ。

電話口で笑い声が飛び交う。
笑うべきではないと思ったが、
安心しなかったと言えばそれは嘘だ。
そうした経緯もあってか、
祖父の死は、強烈なリアリティを持って
俺の心に迫ってこなかった。
小笠原にいる間は。

その日はたまたま船の出港日で、
(小笠原は週に一本程度しか船の行き来がない)
どうにか通夜に間に合う予定で
僕は船に滑り込むことができた。

同じ船で、小笠原に2、3週間滞在していた
越前屋さんも東京に帰る予定だった。
突然船に乗る事になった僕に、
彼女は何気なく理由を訊ねた。
僕は、祖父の死んだ事を告げた。
大げさな言い方はしなかったはずだ。
その時の彼女の顔を、僕は今でも鮮明に覚えている。
小笠原の強い日差しが彼女の頭に巻かれた
手ぬぐいにあたってできた濃い影の奥で、
二つの目が見開かれ、わずかに濡れて光った。
一瞬で、心の奥まで晒してしまうような、
鋭い悲しみの表情だった。
僕はその時、彼女が自分以上に祖父の死を
実感している事を悟った。


祖父は不器用な人だった。
僕の一番古い記憶は、
怒った祖父が僕の乗っていたアヒルの玩具を
蹴り飛ばす風景だ。
世界が壊れるような恐怖と共に
それは記憶に刻まれたのだろう。
家族みなが祖父の短気な性格を刺激しないように
気を使う毎日だった。

葬式の当日、生前の祖父の話相手だった
隣家のおじさんがこう言ってくれた。
「いい人だったけれど、生まれてきた時代が悪かった、
青春の一番いい時代を全て戦争に奪われてしまった。
だから、次は、もっと平和な時代に生まれ変われるように
お経を唱えておきました」
それまで祖父に対して自分が抱いていたイメージが
その言葉で一気に塗り替えられた。
僕は祖父の育った時代を想像していなかった。
そうしたら、何かが壊れたように涙が出てきた。

そうして初めて、越前屋さんにあの表情をさせた感情が、
自分の中にも起こったと感じたのだ。


OSHOは繊細さに関するインタビューで
次のような事を語っていた。
「なぜ私は繊細なのか?という問いは適当ではない。
なぜなら、人は繊細に生まれ付いているからだ。
子供の内は誰もが繊細である。
だから、問うべきはこうだ。
なぜ私は繊細でないのか?」


彼女は、自分の繊細さを守る術を
身につけてきた人だと思う。
そして繊細さとは、
共感する力の事だ。


そういう人の作っている舞台です。
]]>
Sun Sugar Son Wed, 08 Oct 2008 03:24:50 +0900